日頃よりMrs.fictionsにご愛顧をいただき、誠にありがとうございます。
この度、8月17日(金)から20日(月)まで下北沢駅前劇場にて上演を予定しておりました単独長編公演ザ・ミセスフィクションズ4『月がとっても睨むから』におきまして、改めて創作進捗を鑑み検討を重ねた結果、上演延期(会場・時期未定)という形を取らせていただく運びとなりました。
既にご予約、ご検討下さり当公演を楽しみにお待ち頂いていたお客様には、大変心苦しいご報告となりますことをお許しください。
なお、公演期間である17日(金)〜20日(月)の間、下北沢駅前劇場では出演者をそのままにMrs.fictionsの過去作品の上演及び上映会」イベントを開催する運びとなりました。
※既に当公演をご予約頂いているお客様へ
当公演は演目を変更し、ご予約不要、入退場自由の無料イベント(フリーカンパ歓迎)の開催を予定しています。つきましては既に頂いたご予約の変更、キャンセル等は不要です。是非お気軽にお越し下さいませ。
また、7月16日までにご予約頂いたお客様には、予定通り受付にて早期予約特典グッズを差し上げております。ご来場の際は是非お申し付け下さいませ。
以下、今回の上演延期に関してMrs.fictionsのメンバーそれぞれのコメントも掲載させていただきます。
今回、予定していた公演『月がとっても睨むから』の上演を会場・時期未定で延期させて頂いたことについて、心よりお詫び申し上げます。
上演延期の理由は端的に申し上げてただ一点、私の戯曲執筆の遅さに尽きます。タイトルの通り月に睨まれているような罪悪感を背に受けこの数ヵ月試行錯誤を重ねて参りましたが、ようやく光明を見出したと同時に、このテーマを描くにはさらに登場人物全員を深く掘り下げる必要があること、そしてその為には残された時間が足りないことを痛感しました。
私は筆うんこ(筆が遅いという意味の造語です。遅筆というと変に格好良く聞こえがちなので自分には使いません)なので、この数年間の作品はほぼすべてギリギリの状態で書き続け、今回こそ絶対に間に合わないと確信しながら(何故か)奇跡的に完本し、すべての人の助けを借りて(何故か)上演が成立する、の繰り返しでした。
結果はともかくこの作り方は駄目だ(死ぬから)、最後にこの一回だけ乗り切って次からは創作体制を考え直そうぜと高らかに宣言した10周年イヤーの締めくくり、5年ぶり4度目の単独長編公演という最高のタイミングで派手にすっ転んだ私達の可愛らしさをどうぞ笑ってやって下さい。
元々書きたいことの玉数も少ない人間なので、残りの生涯で長編として書いておきたいのは今のところ本作『月がとっても睨むから』と、未来の芸術系大学を舞台にした『仮名手本・人造人間キカイダー(仮)』の2本だけです。今回はその数少ない1本をどうしてもより良い形で送り出したいという、私だけの身勝手なわがままをメンバーに伝え、そのままMrs.fictionsのわがままとして役者さんとスタッフさんに受け入れて頂いた次第です。
今回「上演中止」ではなくあくまで「上演延期」とちょっと往生際の悪い表現にさせて頂いたのは、今もって恐ろしい程にポジティブなモチベーションを保ち続けてくれている役者陣と、この舞台の為に素晴らしいプランを用意してくれたスタッフ陣、誰一人として欠けることなく同じ形で上演したいという気持ちの表れです。もちろん延期の時期が未定な以上、様々な事情が出てくるかとは思いますが、そう遠くない未来に必ず実現したいと思っています。
最後に今一度、お盆の予定を空けて当公演を楽しみにして下さっていたお客様には本当に申し訳ありませんでした。予定している振替イベントと今後のより良い作品づくりでお返しして参りますので、これからもMrs.fictionsをどうぞよろしくお願い致します。
Mrs.fictions 中嶋康太
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楽しみにして頂いた皆様に新作長編作品をお届け出来ないこと、心よりお詫び申し上げます。
Mrs.fictionsを旗揚げして10年になりますが、情報として公演の中止や延期がある事を聞いても、どこかで自分の身には降りかからない出来事として捉えていました。
今回、上演延期となった一因はまさに『どこかで自分の身には降りかからない出来事として捉えていたから』だと考えています。主宰なのに。脇がとても甘かったのです。
数年前からうすうす「いまのMrs.fictionsの作り方には限界があるぞ」と感じていながら、今回はからがらやりきれた、という繰り返し。いつか公演が打てないかもしれない状況になると分かっていながらも、自分の脇は甘いままでした。
今回、本番の近づく中で上演の延期が決定した時、10年かけて甘く育ててきた脇の匂いをかいだような気がします(それはとても甘いなんてものではなかったことは、想像に難くないのではないでしょうか。)。
そのような積み重なりがあった末の今回の上演延期だと認識しています。
その上で、「どんな事があっても初日の幕を上げる」ことの誠実さと、一方で「作品を納得のいく形に仕上げて皆様に提出すること」の誠実さの中で葛藤しました。
自分の、団体としての我儘に他ならないのですが、中嶋康太の描く作品をよりよい形で世に送り出したいという気持ちが勝り、メンバー一同で検討しこのような決断を下した次第です。予定通りに『月がとっても睨むから』を上演する事が出来ず、本当に申し訳ありません。
『月がとっても睨むから』は必ずどこかでお届け致します。また、今回新作の長編をお届け出来ない代わりに、現在イベントを企画中です。
今後も、皆様にお楽しみ頂けるような公演、作品を製作して参りますので、引き続きなにとぞよろしくお願い致します。
Mrs.fictions 今村圭佑
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皆様お元気に日々暮らしていますでしょうか、Mrs.fictionsで俳優をしています岡野康弘です。
まずはじめにMrs.fictionsの新作公演について今までどおり期待をしてくれていた方々へ、心からお詫びを申し上げます。そして、今回はじめてMrs.fictionsを観に来ようと予定を立てて頂いていた方々にも、本当に申し訳ありませんでした。
先にコメントしている中嶋くんが上演延期の理由を端的に書いてくれていますが、彼の筆についたうんこを見つめながらティッシュ一枚差し出せなかったことも、今回の上演延期の理由に加えさせてください。「いち俳優が作家の筆についたうんこをどうこうしようだなんておこがましいとは思わんかね・・・」という漫画ブラックジャックの名台詞が頭をかすめますが、自分もかつてはMrs.fictionsで作品を発表してきた作家でした。
少し昔話になりますが、Mrs.fictionsは結成当初7人のメンバーを擁し、最大時には8人で活動をしていました。大体「光GENJI」くらいの規模感のグループだと思ってもらえればわかりやすいと思います。その内5人のメンバー(GENJIの方)が肩書きに「作劇」「劇作」をクレジットする、演劇界を見渡してもなかなかないメンバー構成の団体で、旗揚げの年から『15 Minutes Made』という短編ショーケースイベントを3回、単独公演を1回上演するなかなかに野望の高い活動をしておりました。
数多くの公演を打つ中で面白いものを発表し続けるため「各人が作品を持ち寄るプレゼン形式」を採用し、お互いの書いてきたものに意見を出し、よりブラッシュアップをさせるという、創作家たちの楽園のような時間を繰り返し行って参りました。もちろん自分も作品を提出し続け、短編ではありますが数作品を『15 Minutes Made』にて上演しました。
しかし「光GENJI」同様、次第にメンバーも減り、自然とプレゼンの形式はなくなり、特に検討を重ねることなく、「中嶋作品を上演する」今のMrs.fictionsの形になっていきました。自分はメインで俳優をやっていることもあり、中嶋くんの作品を世に出せるなら大満足「痛快ウキウキ状態」だったので、戯曲は中嶋くんに任せ自分は稽古場で待つという感覚が当たり前になっていきました。
作家一人がとにかく家にこもって作品を書き上げる。ある意味であたり前のことなのかもしれませんが、これは創作家の地獄のような時間です。正直こんな事続けていたらいつか破綻すると思いながら、間近でそれを見ながらなんの手も打てない自分を「それでも今まではどうにか公演が打てた」ことで棚に上げて進んで来ました。
その結果が、今回の公演中止・延期という事態を招いてしまったと思っています。
まだまだ未練や後悔は多いです。もっともっと、冗談の入る隙のないくらい地を這うような謝罪をしなくてはならないのでは、とも思います。
僕はこれから、今一度、創作を我が事にするために、より一層の努力を続けていきたいと思っています。いつかまた(出来る限り早く)この『月がとっても睨むから』を上演するその日までMrs.fictionsは動き続けますし、もちろんその先にも期待を持っていただけるように活動を続けてまいります。
もしまだチャンスがありましたら僕たちの面白いやつを見に来てくれたら嬉しいです。
Mrs.fictions 岡野康弘
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なお、当公演へのお問い合わせに関しましてはまでお願いいたします。
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